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できるの木2011.09.10

創業95年、幼稚園・保育園教材教具メーカーの株式会社ジャクエツと、2歳児のためのインテリアと家具のシリーズを開発しました。

株式会社ジャクエツは、大正5年(1916)、初代社長が、母体となる早翠幼稚園を開設。幼稚園での教材不足を自給して補おうと、教材教具を考案・製造したところ、人づてに評判を呼び、幼児教育用具の製造直販事業へと展開、現在では、園舎の建築設計から、遊具、備品、食器、園服、など、幼稚園・保育園の環境づくりに必要とされる、幅広いアイテムを取り扱っています。

全国69箇所の直営営業店を持つジャクエツは、幼稚園・保育園に関わる人なら誰でも知っている縁の下の力持ち。我が家の近所の子育て支援センターでも、娘の私立幼稚園でも、息子が一時保育でお世話になっている区立保育園でも、先生方にお聞きすると、「ジャクエツさんね、もちろん、知ってますよ!」とのお答え。

「できるの木」シリーズは、「自分でしようとする気持ちと、やればできるという自信を育てる」がテーマ。「できた!」の積み重ねで、自己への自信を深めていけるようにサポートする、2歳児を対象としたシリーズです。テーブル、イス、絵本棚など、トータルコーディネートできる、全7アイテムです。

写真の円形の家具は、カバンや上着を収納する6人用ロッカー「えだまる」。ロッカーは、四角い箱が壁に沿って並んでいることがほとんどですが、これを丸く自立式にすることで、同時に使用してもぶつかり合うことがなく、周りの子どもの動作が自然に目に入るように、と考えました。友達がしていることを、真似してやってみようとする。これが2歳児です。

緑色の「枝」状のバーに、上着や帽子、巾着袋などを掛けます。白いパネルで仕切られた「丸」い天板が、個々のカバン置きです。枝にとまっているのは、それぞれ色が違う5色の小鳥。子どもたちが自分のロッカーにたどりつくための目印です。不思議な形の「えだまる」が、はじめての集団生活に緊張する子どもの気持ちを、こちょこちょっとくすぐって、自分で最初の一歩を踏み出してくれたら…、そんな親心を込めています。

昨年、娘が幼稚園の2歳児クラス(週2日)に通い、登園時に、カバンの中からコップとタオルとスモックを出して、お支度をして、降園時に、それらをカバンに入れて…という、いとも簡単に思える動作が、2歳児にはとても難しいことなのだな、と知りました。自分でやってみようとする子どもたちをじっと見守り、励まし、さりげなく手を貸す先生方の忍耐力に、いつも感服したものです。

「えだまる」は、天板にカバンを置いた時に、立った姿勢でカバンの中をのぞき込め、2歳児でも物を出し入れしやすい高さです。隣の友達の動作が刺激になって、「やってみよう!」につながります。隣の友達と緩衝することなく、「できた!」に向かって取り組めます。

できるの木
できるの木
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