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お弁当箱に針金で焼印を押しました2011年5月13日

幼稚園の入園準備は楽しい。

上履きに、絡まる蔦のイラストを描いたり、
赤白帽子に、大きな花を刺繍をしたり、
かばんや巾着をいくつもミシンで縫ったり、
着なくなった私の麻のシャツをリメイクしてスモックを作ったり。

こんなに自由に遊べるものづくりの場は他にはありません。
思いつき上等、(すぐにサイズアウトするので)仕上がりは適当、
量産する必要もなければ、ロットもない、予算もない。

しかも、毎日毎日、それを使っている人が目の前にいる。
作ったものが、日常の中で必要とされながら使い倒されていく様は、
そのものが暮らしに溶け込んで行くようで、気持ちのいいものです。

幼稚園で使う持ち物には、すべてに名前を付けます。
これから三年間、お昼ごはんを共にするわっぱのお弁当箱には、
工具箱の中にあった針金で、娘の名前の焼印を作って押しました。

用意したのは、スチールの針金とラジオペンチ。

スチールは、ステンレスに比べると軟らかいので加工が楽です。
アルミの針金は、火で熱したときに溶けるので不向きです。
針金の太さは、樹種や押したい形、大きさによりますが、
わっぱのお弁当箱には、1ミリ前後が扱いやすいでしょう。

はじめに、押したい文字や形を、ラジオペンチで針金を曲げて作ります。
できるだけ針金が重ならないように、平らに一筆書きにします。
最後のところを垂直に立ち上げて、10センチほどのところで切ります。
これが、火で熱する時の持ち手になります。

まずは練習。
同じ温度でも、樹種によって焼き付き具合が変わります。
わっぱのお弁当箱は秋田杉。軟らかい針葉樹です。
同じ針葉樹のヒバで作られたまな板に押してみます。

針金を直接持つと熱いので、ラジオペンチでつまんで火で熱します。
熱し始めるとすぐに、針金が赤く透き通ってくるので、
冷めないうちにそっとお弁当箱に押し付けます。

硬い広葉樹ならば、焼印のまわりがうっすら焦げてから離せば良いのですが、
針葉樹は軟らかいので、素早く焼き付けないと、
木の表面が焦げて、焼印自体が木に食い込んでしまいます。
針金が重なっているところは浮いてしまうので、
ラジオペンチで押し付けつつ、食い込まないように。

さて本番。
焦げたり、浮いたり、ねじれたり…、
世界にひとつだけのお弁当箱になりました。
「TOMOE」と読みます。念のため。