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「リズム」の試作モデル

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株式会社ジャクエツと昨年から取り組んできた、
一歳児向けの保育備品シリーズ「リズム」の試作モデルが完成し、
福井県敦賀市に今春開園した、新和さみどり保育園に設置工事をしました。

新和さみどり保育園は、ジャクエツの4つのモデル園のうち、
最も新しい、2012年4月開園の保育園です。
モデル園では、新たに開発された商品や取組みを真っ先に試用し、
日常の教育・保育を通じて、園児たちの様子や保護者、職員の声を吸い上げるほか、
見学に訪れる多くの教育関係者の多様な意見を収集し、
企画開発部門へフィードバックしています。
新和さみどり保育園には、深澤直人さんデザインの遊具「OMOCHI」や、
五十嵐久枝さんデザインの保育備品シリーズ「find」も、導入されています。

 

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「リズム」シリーズの開発に取り組むにあたっては、
敦賀にあるモデル園はじめ、都内を中心にたくさんの保育園を視察しました。
その中で感じたことは、
「一歳児の保育室から発せられるエネルギーはすごい!」
ということでした。

つい数年前は、私の子どもたちも一歳でしたから、
その、好奇心が強く探索行動も盛んな一歳児ぶりは、十二分に経験済み。
矢継ぎ早に繰り出される予測不可能な行動から、一時も目が離せず、
子どもが寝ている時以外、気が休まることがありませんでした。

当たり前ですが、保育園にはそんな一歳児が何十人もいるのです!

これまでの保育備品は、そんな一歳児のエネルギーを、
頑丈なゲートで囲って安全を確保しよう、という考え方が一般的でしたが、
とある先生いわく、
「これまでの高い柵だって、その気になれば乗り越えちゃいますよ。
扉のロックも、大人がやっているのをすぐに真似して開けちゃいます。」だそうです。

どんなに大掛かりな備品で囲い込もうと、やっぱり目を離せないのが一歳児。
日々の経験から、たいていの危険なことは予測回避してしまう先生方ですが、
それでもやっぱり目を離せないのが一歳児。それならば…、

「見守りましょう。とことん見守りましょう。」

一歳児保育本来のあり方を見直してデザインした、
「リズム」シリーズのコンセプトは、「見守リズム」。
どこからでも目が行き届くように、すべての備品の高さを大幅に低く抑えました。
「どんな堅牢な囲いより、先生の眼差しが強し!」です。

子どもの人数分、縦横無尽に放たれる好奇心ベクトルに、
常に落ち着いて手際よく対応する先生方、尊敬します。
もしかして後ろにも目が付いてません?

そんな温かい眼差しと笑顔を、ロゴマークにしてくれたのが、
ちょうど一歳になったKちゃんのママ、グラフィックデザイナーの小沢恵未さん。
材木座にある海からすぐのご自宅での打合せは、
歩きじめて間もない、これまた一時も目が離せないKちゃんも一緒です。
ロゴマークには、どこにいてもいつも見守っている先生やママと、
その中で安心して自分を発揮する子どもの姿がデザインされています。

「リズム」シリーズには、
北海道産の白樺間伐材から作った、ecoシラ(エコシラ)合板を使用しています。
ecoシラ(エコシラ)合板は、今まで利用されることなく山に放置されてきた、
道内産の白樺間伐材を重ね合わせて芯材としています。
白樺は北海道の広葉樹の中では成長がとても早く、増加傾向にある樹種であり、
利用拡大が進めば循環資源になる材料です。
見え方も、白樺の重なる断面の積層が美しい。
質の悪い合板の切断面には、薄板の木口貼りが必要ですが、
ecoシラ(エコシラ)には不要です。
接着剤には、ホルマリン等VOC対象物質14物質、PFOS、PFOS類縁化合物、
を含んでいないものを使用しています。

さて。
試作モデルが設置された週明け、登園した子どもたちの反応はいかに。
この後、現場からのフィードバックを受けて、量産モデルに移行します。

 

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