チリ紙
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息子がトイレトレーニングを始めたころ、
「これなら、子どもにも使いやすいと思うわ」と、
チリ紙の大きな束を、母が持ってきてくれました。
まだ売っているんですね。チリ紙。
数十年ぶりに使ってみると、ゴワゴワした灰色の紙ではなくなっていて、
フワフワでとても柔らかい。すっかり気に入ってしまいました。
ティッシュペーパー、キッチンペーパー、トイレットペーパー…。
私は、使い捨てのペーパー類が家の中にいくつもあるのが苦痛です。
なくなったら買わなくちゃいけないし、
お気に入り銘柄もないので、使っていて楽しくない。
そこでまず、キッチンペーパーを使わないことにしました。
食品には洗いたての布巾を、汚れ拭きには刻んだ古着を使います。
次に、ティッシュペーパーも使わないことにしました。
鼻をかむのも、食べこぼしを拭くのも、ガーゼのハンカチです。
子どもが産まれたときに買ったものをそのまま使います。
そして、トイレットペーパーも…と考えたのですが、
これだけは、いいアイデアが浮かびませんでした。
そこへこのチリ紙がやってきたわけです。
一年以上かけて、いくつかのメーカーのチリ紙を試してみましたが、
今使っているものがとてもいい。(写真上の右側)
製造元の八幡浜紙業株式会社に電話で話を聞いてみました。
Q. なぜこんなに柔らかいのですか?
A. クレープと呼ばれるシワ加工が細かいので、
ガサガサせずに柔らかくなっています。
クレープを細かく低く加工しているので、かさが小さくなり、
保管場所も取りません。
Q. なぜこんなに白いのですか?
A. 企業や役所から出るコピー用紙などを原料としているので、
広告や雑誌から作ったものより白くなっています。
漂白剤は一切使っていません。白度は72%です。
Q. 再生紙を使っていますか?
A. 100%再生紙です。ティッシュペーパーやキッチンペーパーは、
バージンパルプを使ったものがほとんどです。
再生紙を溶かす工程で薬品を使いますが、それ以外に薬品は使いません。
いち消費者からの電話に、とても丁寧に対応してくださり、
柔らかさや白さへの懐疑心も解消されました。
上の写真は、ティッシュペーパーを使わなくなってから、
4年間使ったガーゼのハンカチです。
こうして使い倒してみると、製品の良し悪しがはっきり出ます。
良いもの(左)は、何百回も洗濯しているのに、型が崩れていません。
4年分以上のティッシュペーパー代だと思えば、
上等なガーゼのハンカチを買ってもお釣りがきますね。
毎日手にするのが楽しみな、くったりしてくるのが楽しみな、
お気に入りのガーゼのハンカチを使って、
(汚れのひどいものには、チリ紙をうまく使って)
家のあちこちに点在するティッシュペーパーの箱を、
ひとつずつ減らしていくと、部屋も暮らしもすっきり軽やか。
使い捨てない暮らしでは、ゴミ箱も家にひとつあれば充分です。