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お弁当箱に針金で焼印を押しました

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幼稚園の入園準備は楽しい。

上履きに、絡まる蔦のイラストを描いたり、
赤白帽子に、大きな花を刺繍をしたり、
かばんや巾着をいくつもミシンで縫ったり、
着なくなった私の麻のシャツをリメイクしてスモックを作ったり。

こんなに自由に遊べるものづくりの場は他にはありません。
思いつき上等、(すぐにサイズアウトするので)仕上がりは適当、
量産する必要もなければ、ロットもない、予算もない。

しかも、毎日毎日、それを使っている人が目の前にいる。
作ったものが、日常の中で必要とされながら使い倒されていく様は、
そのものが暮らしに溶け込んで行くようで、気持ちのいいものです。

幼稚園で使う持ち物には、すべてに名前を付けます。
これから三年間、お昼ごはんを共にするわっぱのお弁当箱には、
工具箱の中にあった針金で、娘の名前の焼印を作って押しました。

用意したのは、スチールの針金とラジオペンチ。

スチールは、ステンレスに比べると軟らかいので加工が楽です。
アルミの針金は、火で熱したときに溶けるので不向きです。
針金の太さは、樹種や押したい形、大きさによりますが、
わっぱのお弁当箱には、1ミリ前後が扱いやすいでしょう。

はじめに、押したい文字や形を、ラジオペンチで針金を曲げて作ります。
できるだけ針金が重ならないように、平らに一筆書きにします。
重なってしまうと、押印する時にテクニックが必要になります。
最後のところを垂直に立ち上げて、10センチほどのところで切ります。
これが、火で熱する時の持ち手になります。

まずは練習。
同じ温度でも、樹種によって焼き付き具合が変わります。
わっぱのお弁当箱は秋田杉。軟らかい針葉樹です。
同じ針葉樹のヒバで作られたまな板に押してみます。

針金を直接持つと熱いので、ラジオペンチでつまんで火で熱します。
熱し始めるとすぐに、針金が赤く透き通ってくるので、
冷めないうちにそっとお弁当箱に押し付けます。

硬い広葉樹ならば、焼印のまわりがうっすら焦げてから離せば良いのですが、
針葉樹は軟らかいので、素早く焼き付けないと、
木の表面が焦げて、焼印自体が木に食い込んでしまいます。
針金が重なっているところは浮いてしまうので、
ラジオペンチで押し付けつつ、食い込まないように。

さて本番。
焦げたり、浮いたり、ねじれたり…、
世界にひとつだけのお弁当箱になりました。
「TOMOE」と読みます。念のため。

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