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メイドインアースの「ゆめジィ」

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昨年から手掛けていた子ども椅子が完成です。その名も「ゆめジィ」。
画家の福田勝さんが描いた姿形と物語をもとに、
自然素材だけを使って小さな椅子に仕上げました。
メイドインアースのこちらのページでご覧いただけます。

木材はすべて信州産アカマツの無垢材。
食品加工用のくず米からできた天然糊で組立てています。
まあるいせっけん」を使ったソープフィニッシュで、
素の木肌に触れられることにこだわった、
「すっぴん仕上げ」の子ども椅子です。
洗い立ての白木の椅子は、塗膜で封じ込められた木製品とは違って、
木という自然素材の持つ面白さを十二分に味わうことができます。

日本人にとって最も身近な素材である「木」ですが、
普段の生活で私たちが目にするのは「表皮を付けたままの立ち木」か、
「塗膜に覆われた木製品」のいずれかがほとんど。
平滑に削られただけの木肌に触れる機会はまずありません。
木のまな板や木の桶も最近はお目にかかることが少ないですから、
あるとすれば割り箸くらいでしょうか。

職業訓練校(松本技術専門校)で家具作りを学んで初めて、
私は、素の木肌の手触りを知りました。
カンナをかけると表れる美しい木目に触れると、
カサカサとスベスベを合わせたような、何とも懐かしい感じ…。
かつては部屋のあちこちに顔を出していた木の柱や、障子の桟のよう。
木肌は、ツルツルでもなく、ピカピカでもありませんでした。
それまで私が木肌だと思っていたのは、実は塗料の膜だったのです。

塗料の塗られていない状態の木の色は白く、清潔感にあふれていて、
当時の私は塗装前の木肌が大好きでした。
塗料がのって、水に濡れたような「濡れ色」に濃く変わり、
「どこにでもある木の家具」になってしまうのが、
なんだか惜しいような気になったものです。

塗装には、木を保護し美しく見せるという目的があります。
汚れが染み込むのを防いだり、乾燥による細かいひび割れを防いだり、
木目を引き立てたり、ひとつひとつ違う木目を均一に見せたり。
毎日の暮らしで木製品を使う上で、塗装は欠かすことのできない技術です。

けれども。
良く手が触れるところに艶が出てきたり、
ぶつけて凹んだところに蒸気をあてて直したり、
シミが付いたらサンドペーパーを当てたり、
汚れてきたらせっけん水で洗ったり。
木とともに、子どもとともに、そんな経験ができたら素敵です。
そんな気付きの種が、家にひとつあったら素敵です。
メイドインアースのゆめジィは、そんな小さな子ども椅子です。

ところで。
木肌×塗料、素肌×化粧品、良く似たところがあると思いませんか?
塗装の学会に行くと、化粧品業界の方も大勢いらしているそうです。
しくみも素材もほぼ同じ、とは塗装を長年研究している某先生の弁。
素地が悪いと上塗りしても無駄、というところも共通しているそうです。

ゆめジィの試作の様子はこちらのページ
ゆめジィの製作の様子はこちらのページ
メイドインアースの家具へのこだわりについては、こちらもご覧ください。

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