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3.11 震災から5年。5年目の種蒔き。

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東日本大震災から五年。
避難生活を送る人は、今なお17万人。被災地はまだ日常を取り戻してはいません。
そんな状況のなか、ご一緒に活動している「いわきおてんとSUN」は、いつだって太陽のように明るい。五年経った今も、その活動はたくさんの人の力を巻き込みながら、とどまることを知りません。震災をきっかけに、未来と共にある新しい価値観に気付き、それを少しずつ目に見える形に変えていく姿は、近くにいてとても眩しい。支援とか応援とかそういう関わりではなく、失ったものがあるからこそ大きく舵を切って進む姿が、むしろ羨ましいような、そんな気持ちです。

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今年もいわきの圃場へ行き、栽培5年目のマルチを張り、種を蒔いてきました。
今年は、いわきの地図に圃場位置をプロットしたTシャツも販売されます。

 

代表理事をつとめる吉田恵美子さんが配信している「いわき震災通信」には、毎回多くの活動が綴られています。これからもご一緒に。
以下、「いわき震災通信vol86 2016年2月25日号」
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皆様、

小さな春の足跡を庭先のそこここに見つける頃となりました。
そして、5年目の3.11が目前に迫ってきました。震災復興の集中期間が終わり復興・創生期間が始まるとされるその日まで、もうすぐです。

昨日は、双葉郡広野小学校の子供達と、広野町の防災緑地にどんぐりの苗木を植える活動を行ってきました。津波被災エリアに広く伸びる防災緑地は、震災後の東北地方の太平洋に面した沿岸部の風景を一変させています。かつて人々の営みが広がっていたエリアに、大量の土砂が運び込まれ、高さ10m近くにもなる緑地帯が築かれようとしています。海はもう見えません。ある意味画一的な風景が広がることになってしまいそうなこの防災緑地に、少しでも地域性を生み出したいと、各地で様々な取り組みが行われています。双葉郡広野町で行われている取り組みの一つが、昨日行われた小学生の子供たちがこれまで育ててきたどんぐりの苗木の植樹であり、このあと、3月5日と6日に開催される植樹祭ということになります。住民などからなる「ひろの防災緑地サポーターズクラブ」が組織され、広野ならではの森を生み出そうと、樹種の選定など一から準備を進めてきました。5日の町主催の植樹祭には、500名規模での植樹が予定されています。また、翌6日には、復興庁の「新しい東北先導モデル事業」として、プレゼントツリーという仕組みで、首都圏の方々がここに記念樹を植えることで住民と10年間に渡る交流をスタートさせる植樹が行われます。「新しい東北先導モデル事業」をご一緒している関係で、私たちも広野町でのこうした活動をお手伝いさせていただいているのです。私たちにとっては、広野町浅見川沿いの畑でのコットン栽培から広がった広野町とのご縁です。6日には、「コットンドリームいわき」という、立教大学セカンドステージで学んだシニアの学生さんたちが立ち上げたNPOが、植樹のバスツアーを走らせます。もし参加を希望される方があれば、まだ数席余裕があるそうですので、お知らせください。

このところ、私たちの周辺では、企業の方々とのお付き合いが実を結ぶという場面に出会すことが続いています。ご紹介させていただけたら嬉しいです。

2月8日、日産自動車さまから電気自動車がいわきおてんとSUN企業組合に贈呈されました。これまでも地方自治体に電気自動車の無償貸与を行ってきている日産自動車さまではありますが、営利事業を行う企業組合に提供するというのは全く初めてのケースということで、当日は黒いボディーにプラグのデザインが施されたeNV200が福島日産自動車の皆様の手で届けられました。これまで、広野町での公園の整備やいわき市好間町のおてんと事務所でのコットン栽培のお手伝いなど、何度か社員の皆さんの活動のお手伝いをさせていただいたご縁が、形になったものでした。この電気自動車、早速大活躍しています。広野町での植樹祭準備のために、好間・広野間を毎日のように走っています。そして、電気自動車には電気ステーションが必要…ということで、事務所の前庭に設けた畑の上に、ソリンドルという名前の棒状のソーラーパネルを設置し、この車の充電ができるように整備をしようという計画が進んでいます。いただいた一つのチャンスが、次の展望を広げてくれているのです。

2月10日、ザ・ピープルでは、いわき市立小名浜東小学校で、3年生が春から栽培してきたコットンを使って、ライオンの顔に似せたコットンベイブ(ストラップ型の人形)作り教室を行いました。今年度栽培を行った市内30小中学校のうち、12校でこうしたコットンベイブ教室が催されました。小名浜東小学校では、子供たちがビーズや折り紙、端布などを持参し、思い思いにライオンの顔を飾り付け、個性豊かな人形を完成させていました。また、人形作り終了後には、学校の希望を受けて、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」を支援して下さっている東京スター銀行さまから行員の石田聡子さんを講師として招いて、子供たちにお金の大切さを伝える「お金の学校」も併せて催されました。この「お金の学校」の中では、銀行の業務についてやお小遣い帳の記入の仕方が説明されたあと、「命、お友達、優しい気持ち、信頼…お金では買えないものをこそ大切にしましょう」とのメッセージが伝えられました。

2月15日、都内でLUSHジャパンさまの主催する記者会見が催されました。その席に、お招きいただいておてんとSUNコットン事業部として同席させていただきました。というのも、ナチュラル化粧品をハンドメイドで製造販売するこの会社で、この度ノットラップという小風呂敷の素材として、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」の布地が採用になり、2月15日から全国の店舗で販売がスタートされたのでした。施されたデザインは、コットンフラワーをイメージしたピンクとブルーの花柄と、菜の花をイメージした黄色とグリーンの花柄の二種類。茶綿が入っていることで生み出される柔らかな色合いの生成りの布地に、花たちが優しく咲きそろっています。記者会見を終えて、早速新宿にあるLUSHさまの店舗を覗くと、店先の一番目立つ場所に飾られていました。店員さんが自社の製品として、「可愛いでしょう!」と誇らしげに紹介していました。他社の商品というものに、私たちの生み出したコットンを認めて頂いて採用いただいたことが、どれほど私たちを勇気づけてくれることか。販売の現場を目にしたことで、改めて感謝の気持ちが溢れ出ました。

2月17〜19日、日本IBMさまの都内事業所で催される社内マルシェにお招き頂き、出店させていただきました。マルシェの名前は、「伊達マルシェ」。日本IBMさまが福島県伊達市と震災後お付き合いが生まれたことで催されている地元産品のマルシェに、新しく相乗りさせて頂くことになったのでした。季節柄、伊達市内霊山町で栽培されたいちごを中心に、伊達市の美味しいものがズラッと並ぶ傍らに、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」も、フェイスタオル、手ぬぐい、コットンベイブなどを並べさせていただきました。今回のイチオシ商品は、郡山市の障がい者施設NPO法人しんせいの皆さんとコラボして作ったスノーボールのクッキーとたおるはんかちのセット。コットンボールも入って1000円なり。こちらは、社会貢献の皆様のお声掛けのおかげで完売することができました。そして、マルシェ終了後には、お時間を頂いて私たちの取り組みの紹介もさせていただきました。一つの出会いが、また新たな出会いを連れてきてくれます。

私たちの復興・創生。決して道は平坦ではありませんが、たくさんの企業の方々に支えて頂きながら、着実に前に進んでいます。長くなりました。お許し下さい。

吉田恵美子
特定非営利活動法人 ザ・ピープル 理事長
いわき市小名浜地区復興支援ボランティアセンター センター長
いわきおてんとSUN企業組合 代表理事

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